近年、ペットは家族と同じように考えられ、生活を共に過ごすかかせない存在となっています。つい十数年前まではペットが亡くなれば「土葬」にすることもありましたが、今や家族の一員であり、「火葬」し手厚くご供養されるケースが多くなりました。それに伴いペット葬祭業者やペット火葬業者も増えています。
そんな中、火葬はしたけれども大事なペットちゃんの遺骨が返してもらえない場合や一部だけしか返ってこないなど、依頼した火葬業者によっても対応は様々です。
悲しいことですが、愛するペットちゃんを亡くされた時に後悔しないお見送りができるよう、火葬の違いや注意点についてまとめてみました。
部分収骨と全骨収骨は東西の地域による違いも
まず、火葬に際する「遺骨」の取り扱いについてですが“東日本”と“西日本”では違いがあります。
お骨上げの際には東日本の場合、ご遺骨は大きな骨壷に「全部」納めますが、西日本では「部分収骨」のため、一部のお骨を骨壷に納められ、残りのお骨は火葬場で引き取るケースが多いようです。
人に準じて、ペットちゃんの火葬を行った際、風習や考え方の違いで火葬後のご遺骨がお手元に全部返ってこないということも有り得ます。
全てのお骨を返骨してほしいというご希望がある場合には、火葬依頼の際には必ずお骨を全部返してくれるかどうかの確認をすることが大切です。
ペットちゃんの火葬法については、色々な名前の呼び方がございますが、おおまかに「合同火葬」「一任個別火葬」「立会個別火葬」「訪問移動火葬」の4つがあります。
火葬方法の違いによるペットの遺骨返却の有無
合同火葬(ごうどうかそう)※ご遺骨は返却されません
他の家のお亡くなりになったペットちゃんと一緒に合同で火葬が行われます。
同じ炉での火葬のため、ご遺骨をそれぞれで分けることはできません。
火葬後のご遺骨は合同で埋葬・納骨されることが多いため、ご返骨できない場合が多いようです。
火葬にはお立会いできず、ご遺体、ご遺骨を預ける形になるのがほとんどのようです。
価格は他の火葬法よりも安価に設定されている場合が多いです。
ご遺骨を引き取らず、そのまま供養してもらう火葬法ですので、ご遺骨を手元供養されたり、四十九日まで、あるいはお気持ちが落ち着くまで自宅安置しておきたいという方には不向きな火葬法です。
一任個別火葬(いちにんこべつかそう)※ご遺骨は返却されます
ペットちゃんは個別で火葬されますが、火葬の際は立ち会うことはできません。
火葬業者にお任せ(一任)し、火葬が終わるとお骨上げも火葬業者が骨壷に遺骨をお納めし、ご家族様にご返骨します。
ご遺体をお預かりして火葬のできる都合の良い日時に火葬し収骨するため、ご家族様はペットちゃんのご遺体をお預けする時と、火葬後のお骨を引き取る時にのみ立ち会えます。
時間に拘束されない分、立会火葬よりは安価に設定されているようですが、業者により異なるようです。
お仕事やお時間の都合上、ペット葬儀に立ち会うことが難しい方や、ご遺骨だけ返してもらいたいという方、悲しすぎてご遺骨を見るのが辛く難しいという方が選ばれる火葬法のひとつです。
◎一任個別火葬の注意点
合同火葬と同じようにご遺体は、ペット火葬業者に委ねる形になります。
個別火葬と偽って合同火葬していたという場合や、別のペットちゃんの遺骨を返す業者も残念ながら実際にありました。
全部のお骨を返してもらいたかったのに、一部の遺骨しか返ってこなかったなどのトラブルも聞かれます。
信用できる業者か、遺骨は全部返してもらえるのか、事前に確認してからお任せするかご判断されると良いでしょう。
立会個別火葬(たちあいこべつかそう)※ご遺骨は返却され、その場で確認ができます
ペットちゃんのご遺体を個別で火葬します。
お別れから火葬までを立ち会うことができ、火葬後は依頼者自身、立ち会った皆で収骨し骨壷に納めることができるため、全骨返却されます。
立会個別火葬の場合、ご火葬の日程や時間の設定をご家族様に合わせる必要があることと、ご遺骨の説明や安全に火葬を執り行うための準備等の必要もあり料金は高めの設定のようです。
火葬炉にペットちゃんを納めるところから出すところまでしっかりと立ち会うことができるので安心です。
火葬の間は側にいてあげたいという方や、我が子の骨をしっかりと見たいという方が選ばれます。
訪問移動火葬(ほうもんいどうかそう)※ご遺骨は返却され、その場で確認ができます
移動火葬車による出張型の火葬です。
火葬車には「火葬炉」が積んでありペットちゃんを個別で火葬します。
ご家族様のご自宅の駐車場や希望される場所へ出向きお立会いのもと火葬を行い、ご家族様自身でご収骨していただき、ご返骨します。悲しすぎて収骨がむすがしいという場合や抵抗がおありになる場合はスタッフが対応することも可能です。
訪問移動火葬の火葬の場合、一任個別火葬か、立会個別火葬のどちらかのプランを提示している場合が多いと思います。
ご自宅や依頼場所へはご家族様の希望に沿った時間にお伺いするので火葬場までの移動手段が困難な方や、仕事などで決まった時間しかお時間が取れない方、ペットちゃんをお見送りからお骨上げまでしっかりと見届けたい方などが選ばれます。
料金は火葬されるペットちゃんのお身体の大きさやペットの種類によって設定されている場合が多く業者によって違いがあります。
また、火葬料とは別に骨壷代、骨壷袋代などが別に請求される場合もございますので火葬料にすべて含まれているかどうかの確認が必要です。
ご自宅にて個別にご火葬を執り行えるのは、ご家族様にとっても、お亡くなりになったペットちゃんにとっても、最も安心な葬儀方法の一つとなり得ます。
訪問移動火葬についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧になってみてください。
そよふくの訪問移動火葬は?
そよふくの訪問移動火葬は全て“立会い個別火葬”です。
ご家族様お立ち会いのもと細かいご遺骨まで丁寧に集め、全骨をお返しさていただいております。
ご自宅のお庭や駐車場でのご火葬が可能なので、そばで見守りながらペットちゃんを見送ることができます。
ペットちゃんを納める瞬間から火葬炉を開ける時まで、お立会いいただくことができるので我が子のご遺骨をご自身でご確認いただけます。
また、ご火葬のご料金には、骨壷や骨壷袋代も全て含まれているので安心してご依頼いただけます。
遺骨の返却に関するペット火葬のトラブル事例
ほとんどのペット火葬業者は誠実にペットちゃんの旅立ちのお手伝いをさせていただいておりますが、
残念なことに中には悪質な業者がいたという過去の経緯もあり、いくつか注意すべき事例をまとめてみました。
・合同火葬の際引き取ったご遺体を供養せずに不法投棄していた
~埼玉県 花園ペット祭典経営者を不法投棄容疑で逮捕
・一体ずつ焼却といいながら二体同時に合同火葬して料金を取っていた
仙台市が運営する「ペット斎場」(泉区)が、1体ずつ火葬するとして利用料金を徴収していたにもかかわらず、1992年の開設から約15年間、2体同時に焼却していた事が2007年12月28日、わかった。
引用:ペット火葬場検索ネットhttp://www.pet-ceremony.net/news/2007_12_29_yomiuri.html
・霊園が突然閉鎖してペットの遺骨がいつの間にか処分されたり、放置されてしまった
大阪府のペット霊園(宝塔霊園)が2017年に突如閉鎖し、ペット霊園利用者に告知等をしないまま霊園の撤去がされ問題となった。
また支払いに関する話では以下のようなことも
・HPに総額をいくらかはっきりと記載せず、火葬後に強引にオプション請求する
・火葬後に必要な骨壷などの購入が必要なことを知らされて、相場以上に高額な支払いとなった
・火葬後の遺骨を直ぐにペット霊園に納骨させようと強引にすすめてくる
上記の例のように、ペットの火葬において、極一部の業者ではありますが、トラブルが発生しているのも事実です。
トラブルを回避するために、大きな広告などに惑わされることなく、口コミや実際に利用した方などの声を重視し、
信頼のできる業者に依頼しましょう。
【ペットの遺骨を全部返して欲しい!】 まとめ
大切なペットちゃんともいつか別れの日が来ると覚悟はしていても、実際にその日が来てしまうと、耐え難いほどの悲しみに襲われてしまうものです。
そのような中、見送るための葬儀の手配など、数多くのペット火葬業者の中から選ばれるのは簡単なことではありません。
突然のことならなおさら動揺もされるでしょう。
ペットちゃんにとって、ご家族様にとってどのような所でご火葬されるのがいちばん良いのか…。
お気持ちを少し落ち着かせお考えいただければと思います。
後悔しないためにも大切な家族の葬儀を執り行うための業者を見極める目が大切ではないでしょうか。