ペットちゃんとの触れ合いの中で、新型コロナウィルス感染への不安や疑問を感じられている方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大により、毎日不安な生活を過ごす中、ペットちゃんの存在は、自粛制限などで疲れてきた心の癒しとなられていることでしょう。
ペットと触れ合いたいけれど今まで通り普通に接していいものか?散歩は大丈夫か?消毒は必要か?など…
ペットと新型コロナウィルス感染についてまとめてみました。
新型コロナウィルスのペットへの感染の報告事例
海外において動物に新型コロナウィルスが検出されという報告がいつくか挙げられています。
発表された報告は数が少ないものの、新型コロナウィルスが犬および猫にうつる可能性を示唆しています。
ただし、以下に挙げる香港当局やベルギー当局においては、新型コロナウイルス感染症は、人から人にうつる病気であり、 人から犬および猫への感染は一般的ではないことも強調しています。
以下、これまでの報告を時系列にまとめています。
・3月4日に香港において新型コロナウィルス感染者の飼育犬から PCR検査で、低いレベルの新型コロナウィルスが検出
新型コロナウィルスに感染した人が飼育している犬か ら、コロナウィルスの弱い陽性反応が見られたようです。
この犬の弱陽性反応はその後、陰性 となったようです。この犬に感染の症状はありませんでした。
また、PCR検査において陽性であっても、犬の鼻と口の粘膜にたまたま付着した新型コロナウィルスを検出してしまった可能性もあり、犬の体内で本ウィルスが増殖 したかどうかについては未確定であり、
犬が新型コロウィルスに感染したことを結論づける結果ではないとの見解でした。【 香港漁農自然護理局(AFCD)】
・3 月 27 日にベルギーで猫の新型コロナウィルス感染が確認
報道によると、この猫は下痢、嘔吐、呼吸困難などの症状を示した後、回復したとされています。
・3 月 31 日には、香港で猫の新型コロナウィルス感染が確認
この猫は症状を示していないとされています。
・4 月 5 日にニューヨークのブロンクス動物園でトラが新型コロナウィルスに感染したとの報告
このトラは飼育員から感染したと考えられています。 他にも数頭の大型猫科動物が感染した可能性があると考えられています。
(※上記の内容は公益社団法人 日本獣医師会のホームページより引用)
日本での状況は?新型コロナウィルスのペットへの感染報告
日本国内でのペットの新型コロナウィルス感染報告は未だ挙げられていません。
また、これまでの感染報告は全て人から動物への感染(人→動物)であり、飼育している動物から人への感染(動物→人)についての報告事例はないようです。
新型コロナウィルスはペットにも感染する?
新型コロナウィルスはペットも感染する可能性があるといえるでしょう。
現時点では報告例も少ないことから、ペットへのコロナウィルスの感染は極めて限定的と考えることもできます。
新型コロナウィルスは主に発症した人からの飛沫感染や接触感染により人へ感染することが分かっております。
もしペットに新型コロナウィルスが感染するとしても、コウモリなどの野生動物との接 触がほぼないとされる日本のペット飼育環境においては、ペットへの新型コロナウィル スの感染があるとすれば、飼主からペットへ感染する経路しか考えられませんが、その可能性も非常に低いと考えられています。
現時点では、世界の多くの専門家は伴侶動物を日常的に検査する必要はないとの考えのようです。
次々に新しい情報が発信されている現時点でも、新型コロナウィルス感染症 は人から人へ感染する病気であり、人からペットに感染した(ペットからウィルスが検出された)としても、さらにペットが人に病気を移す可能性は限りなく低いだろうとの見解が出されています。
しかし、動物と新型コロナウィルス感染症についての情報や検査データが少ないうえ、上記のような報告事例はあるので十分に気を付ける必要があります。
家族が新型コロナウィルスに感染したらペットと生活はどうしたらいいの?
動物と人は人獣共通感染症として知られる病気を共有することがあるために、仮にご家族様が新型コロナウィルス感染を疑う場合や体調が悪い場合は、ウィルスに関して更なる情報が判明するまでペットちゃんとの接触を制限するのが良いかと思います。
(※最寄りの保健所に必ず状況をご相談ください。)
新型コロナウィルス対策に限ることではございませんが、ペットちゃんのお世話をするときは基本的な衛生対策を常に実施することをお勧めします。ペットちゃんの食事やおやつ、食器周り、排泄取り扱い前後の手洗いは必ず行いましょう。
外出やお散歩後の手洗い・うがいの励行、また、ペットちゃんとのキスや食べかけの食べ物をシェアしたりすることも避けましょう。
犬や猫にはコロナウィルス感染症の予防のためのワクチンがありますが、今回の新型コロナウィルスに対してはこのワクチン接種による予防効果はありません。
これまでのところ、犬や猫などのペットちゃんが人の新型コロナウィルス感染症を広げるという役割を担う証拠はありません。
「しっかりとした衛生管理」をしていれば必要以上に恐れることはありませんが、
新型コロナウィルスは未知のウィルスであるため、動物感染に関する詳細なデータや情報が少なく、はっきりと分からないのが現状ではあるようです。
どのような動物が新型コロナウィルスの影響を受け得るかどうかを理解するために、現在更なる研究が進められています。
ペットの飼い主が気を付けるべきことは?
屋内で過ごす時間が増える中、ペット達との触れ合いの時間は気分転換にもなり、楽しいひと時です。
ペットとのお散歩や、触れ合いにおいて新型コロナウィルス感染症のリスクを最小限にするために、いくつか気をつけると良いポイントをご紹介します。
猫へアルコール除菌タオルは危険
ウィルス対策として、ペットちゃんのお身体のお手入れに“除菌ウエットティッシュ”などでウィルス除菌を兼ねて利用する方もおられるかと思いますが、猫ちゃんの場合は大変危険です!
猫はアルコールを分解できません。
猫の体表面をアルコール含有のティッシュ等で拭いてはいけません。
一度体内に入ったアルコールは体内を循環し悪影響を及ぼし、昏睡状態になった症例もあるようです。
アルコールやエタノール除菌製品を含めアロマオイル等の精油も猫にとっては有害とされているようです。
気分転換にアロマオイルを使用したお部屋に猫ちゃんがいた場合、知らず知らずのうちに弱っていたということがあるようですので使用には注意が必要です。
猫ちゃんのお身体や脚を拭いてあげる際は、お湯で絞ったタオルで優しく拭いてあげるのが良いでしょう。
散歩や外出で人混みを避ける
感染が広がっている現状においては、遠くまでお散歩に出てしまう猫ちゃんは、できるだけ屋内で過ごせるようしてあげましょう。
ペットちゃんとのお散歩はなるべく人混みを避け、お散歩時間をむやみに長くしないことも重要です。足りない分はご自宅でたくさん遊んであげると良いかと思います。
他のワンちゃんや飼い主様との交流は、ワンちゃんにとっても飼い主にとっても散歩の楽しみの一つではありますが、現状は他の人と会って話をすることは大きなリスクを伴いますので、挨拶程度がよいでしょう。
人が濃厚接触を回避し、一定の距離を取り感染予防を図るように、ペットちゃん同士の距離にも気を付けてあげてください。
帰宅後は肉球や足、口や鼻周りを洗い流してあげたり、良く拭き清潔にされることが重要です。
新型コロナウイルスは生存期間が長く、物質にもよりますが、付着した状態で2~3日間生存するともいわれています。
シャンプーが可能なペットちゃんにおいては、定期的にシャンプーを行い、被毛を清潔にすることも感染予防のひとつです。
まとめ
前述のとおり、動物から新型コロナィルスが検出された事例は少ないながらも報告はされています。
「人からペットちゃんにコロナウィルスを感染させないようにすること」が重要です。
飼い主さんが健康であることが、ペットちゃんの健康状態を良好に保つ最も大切なことです。
まずは私たちが感染症予防と免疫力を高めるために、健康的な生活を送る努力をしましょう。
新型コロナウィルスは新しいウィルスのため、日々刻々と変わる状況や情報に適切に対応していく必要があります。
飼い主の皆様が混乱してしまわないよう、 信頼できる情報を得ることが大切です 。
情報が氾濫する昨今ですので、確かな情報源からペットちゃんにおける新型コロナウイルスについての情報を正しく理解しましょう。
ただし、未だわかっていないことが多いため、今後の推移を注意深く見守る必要があるでしょう。
これからペットちゃんとの暮らしがどのように変化していくか、誰もが模索しています。
私たち1人1人が最大限できることをしてこの危機を乗り越え、再び平穏な日常を取り戻せるよう、できる備えはしておきましょう。
参考(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/corona_info1.html)