ペットちゃんの旅立ちのお手伝いにお伺いした際、ご火葬前にご家族様から
「不謹慎かもしれないのですが写真を撮ってもいいですか?」
と、聞かれることがございます。
ペットの火葬炉の前で写真撮影はしてはいけないことなのでしょうか。
本記事では、人の火葬場や火葬炉前の写真撮影がなぜ禁止とされているのか、その理由についてお答えします。
なぜ火葬炉前の写真撮影は禁止なの?
人の火葬場ではいくつかのルールがあり、基本的には火葬場内での写真撮影は禁止です。
それではなぜ禁止となったのでしょうか。
いくつか理由があるようです。
火葬場は、何か所かの火葬炉が並んでおり、その扉の前でそれぞれのご家族様がお亡くなりになられた方の生前のお姿と最後の別れをされ、別室にてご拾骨までの時間を待たれます。
火葬炉の前はそれぞれが仕切られている所は少なく、現実的に他のご家族様のお別れの場が目に入ります。
隣り合わせになっている方のご遺体や泣きじゃくっているご家族様の姿、事情のある方の姿もございます。
そのような状況の中、写真を撮られるのは遺憾に思われる方も多いことでしょう。
周りとのトラブルを避け、旅立たれた方への最後のお別れをする場という目的を重んじ、
プライバシー保護の観点から火葬場では基本的に全ての所で写真撮影を禁止しています。
最近ではデジカメやスマートフォンを持たれる方が増え、故人との別れの場を写真に収めたいとのお気持ちへの配慮から「火葬炉前と収骨室だけは撮影禁止」としている所も増えてきているようです。
また、他の理由として、葬儀業者や火葬場で働いている人は差別の対象であったといわれており、「あんな所で働いている」「結婚する時に反対された」など快く思われない時代があったようです。
そのようなことから働いている火葬場職員の顔を写さないようにという意味でも、撮影禁止の理由になっていました。現在では尊いことをしてくれているという意識が高まり、そういったことはないかと思います。
今でこそ火葬場は窓も大きく開放的な空間の作りとなっていますが、昔は電気は付いていたが、天井が高く薄暗かったのです。
ご火葬前のお別れの最中、ストロボをたくと迷惑するので、フラッシュ無しのフィルムカメラで撮ると補正がきかずスローシャッターになるわけです。
自然に手ぶれや露出不足で不可思議な写真が出来てしまう…。
“亡くなった人が写っていた”“心霊写真じゃないか”などと悪い噂が広まってしまい仕事にならなかったということも理由の一つとされています。
いろんな噂が飛び交う中で、火葬場としては仕事の妨げになるものは排除したいというもので、現実的に撮影しない方が具合が良いといった結果だそうです。
しかし最近ではスマートフォンで写真を撮り、思い出としてとっておかれる風潮が、火葬の施行を妨げてしまう原因の一つとなっている現状もあるようです。
撮影禁止の場所でのルール違反は次に火葬を控えて待っておられる方のご火葬にも支障が出てしまいます。
常識的に火葬場の規定に沿わない場合は「火葬をお断りせざるを得ない」という大変な事態にもなってしまいます。
禁止というよりマナーに関する部分になるかと思いますが、きちんとした社会のルールを守った上での行動が大切です。
ペットの火葬の場合、写真撮影しても大丈夫です。
人の火葬場での写真撮影は禁止とされておりますが、弊社の場合、火葬炉前においてもペットちゃんのお写真を撮っていただいて大丈夫です。
火葬は個別で家族単位で行われており、他の方のプライバシーを気にする必要はありません。
愛するペットちゃんの最期のお姿を残しておきたいというご家族様はたくさんいらっしゃいます。
また、遠方に暮らしておられたり、都合でご葬儀・ご火葬に立ち会えなかったご家族様へ様子をお伝えしたいなど、写真撮影の理由は様々です。
ペットちゃんの写真撮影は禁止でも不謹慎でもありません。
たくさんもらった大切な思い出と共に、旅立つ前のお顔やご様子をお写真に収められ、いつまでも宝物として残してあげてください。