「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」
という衝撃的なタイトルの映画が話題になっています。作者の自伝の漫画が原作となっている、実話に基づいた映画です。
俳優・高倉健さんも、お母さんが亡くなったときに遺骨を食べたというエピソードがあります。
今や家族と同然、家族以上の存在ともなっているペット。
それでは、ペットが亡くなったときに、ペットの遺骨を食べる人っているんでしょうか。
捉え方は人それぞれですが、気持ちわるいと思う人もいるかもしれません。
確かに遺骨を食べてしまうのは衝撃的なことかもしれません。
でも、ペットの葬儀を行なっている弊社ではお骨を拾う際に、本当にペットの遺骨を食べる家族の方もいらっしゃいました。
遺骨を食べることは異常なことなんでしょうか。
また、遺骨を食べたいと思った方はどんな気持ちだったのでしょう。
本記事では、ペットの遺骨を食べた方のお話をご紹介します。
ペットの遺骨を食べたいと思った
ペットの遺骨を食べる方は実際にいます。
私もペットのご葬儀で、お骨を食べるところに立ち会ったことが何度かあります。
そしてその方が特に変わってるという印象は全くありませんでした。
ご葬儀では何度も、愛犬の名前を呼びかけながら別れを惜しんでいるお父様でした。
愛犬と一緒に晩酌を楽しむのが日課だったそうです。
長い介護生活の末、家族に見守られながら息を引き取られたワンちゃんでした。
「これで一緒だな。」
涙を目に溜めながら、遺骨の小さなカケラを手で拾い、噛みしめていました。
亡くなっても自分と共にいて欲しい。
遺骨を食べて自分の身体に取り込みたいくらい、その子をそばに感じていたいという思いのようでした。
それだけ、その子を愛していたんだと思うと、私も込み上げてくるものがありました。
実際ペットの火葬に立ち会っていると、遺骨を身につけておきたいという希望を持つご家族は少なくありません。
火葬を行なった際に、遺骨をカプセルやネックレスに収める方、毛を取って置かれる方など、
形見をそばに置く方の心理は、『その子を近くに感じていたい。』ということなのだと思います。
遺骨を食べるということも、その心理の延長線上にある行動だと思うと共感できる部分もあるのかもしれません。
実際に食べてしまうことがなくても、食べてしまいたいくらいに、ペットの存在を一生感じ続けたいと思う飼い主の方はいるのではないでしょうか。
ペットの遺骨は食べても大丈夫なものなの?
骨のほとんどはリン酸カルシウムから構成されています。
リン酸もカルシウムも体内に取り込んでも特に問題はないです。
だたし稀に火葬時の条件によっては遺骨に六価クロムが含まれている場合があり、これは毒性があります。
遺骨に触れたり、食べたりということは普段想定されてないので、問題になることは少ないのですが、仮に食べるという方がいるのであれば気をつける必要があるでしょう。